2015年5月1日金曜日

幼稚園探しはじまる

以前、マンハッタンでの幼稚園探しについてポストしましたが、
いよいよ幼稚園探しに本腰を入れる時期になりました。

これまで夜な夜な情報収集していた甲斐あって、
いざ、この時を迎えて予習ばっちり!

というわけにはいかず、
毎年ガラリと変わるのがニューヨークの教育局。

今年はどこがどんな風に変わっているのでしょうか。

今年4歳になる我が子は、日本の幼稚園年中にあたる
Pre-Kindergarten(略してPre-K)への応募資格があります。

5歳になるとはじまる義務教育のキンダー(Kindergarten)の
前(Pre-)で、Pre-Kとうわけですが、ざっくりと、
キンダーが日本の幼稚園年長さん、Pre-Kは年中さん、
プリスクールは年少さん、と、こんな区分けになります。

とはいえ、Pre-Kもキンダーも公立の幼稚園という位置づけで
ありながら、Pre-Kは義務ではないといいます。

うーん、ややこしい。。

共働き世帯やお金に余裕のある家庭の子供たちは2ー3歳で
私立のプリスクールに通いはじめますが、日本の認可保育園に
あたるような0歳から入園できる公共の保育インフラが整って
いないマンハッタン。
この年次の子供を抱えた共働き世帯の苦労はかなりのものです。

以前も書きましたが、デイケアやプリスクールには
年間150万から300万円以上の費用がかかります。
延長保育もありますが、通常半日クラスならお昼前後、
フルタイムでも3時前後に学校が終わるので、
お迎えに行くシッターさんの人件費、
スイミングやバレエなど習い事などのお稽古代・・・
などなどお金はどんどん出ていきます。

いくら家事や育児をアウトソーシングするといっても、
子供を預けて働くことは日本以上に大変な現実。

母親の稼ぎより、これらの教育費の方が上回ってしまい、
家計が赤字になってまで仕事を続けるか、悩むお母さんも
多いと聞きます。

出産を機に仕事を辞める女性が多いという話は、私にとって
全く意外なニューヨーカーの一面でした。

一方で、公立のPre-Kは学費は無料ですが、これまでは
兄弟のいる子で枠は埋まってしまい、入れる可能性は
ほぼ皆無といわれてきました。

ところが!
昨年、格差是正、幼児教育の拡充を公約に掲げた民主党の
ビル・デブラシオがニューヨーク市の新市長に就任し事態は一変。

”Pre-K for All"

というスローガンを大々的に掲げ、
2ヶ年計画で全ての4歳児に席を用意すると言うではありませんか。

半信半疑でしたが、このデブラシオさん、約束は守る男、
だったようで、実際に
1年目の昨年は53,000人以上の4歳児がPre-Kに入学し、
2年目の今年は、70,000人分の席を準備するとのこと。

電車やバスの中でも、ニュースや新聞でも
”Pre-K for ALL"の文字を至るところで目にするようになりました。

市をあげての大規模教育改革。
一昨年までなら無理とあきらめていた我が家にも
希望の光が見えてきました!

さっそく、市の教育局のサイトを覗いてみると、ありました。
今年の募集要項。
ページ数88ページ、細かい英字でびっしり情報が記載されています。
2015 Directory
募集要項は方針や学校の選択肢などが
毎年大きく変わるため、注意が必要です。
私たちの住んでいる学区District2はマンハッタンの大部分をカバーしている
こともあり、60程の学校名がずらずらと並んでいます。

これだけあればどこかしらには入れてもらえるような気がする、
というのは甘いというもので、
基本的には親が毎日送り迎えしなければ
いけないので、通えるところとなると限定されます。

その上さらに、学区の中でも細かくストリートごとに”Zone”(ゾーン)に
区分けされているのがネック・・・

我が家はどこのゾーンにも入ってないからです(泣)

通常、ゾーン内の子が優先されるため、どのゾーンにも属さない
うちのような場合、希望の学校に入れる可能性はぐっと減ってしまいます。

第一希望の近所の学校は20席に数百人の応募者がある、、
という厳しい状況のようで、ゾーン外の我が家などはまず無理でしょう。

仕方ありませんが、徒歩圏内30分以内、バス圏内で通えそうな
学校を選んで第6希望くらいまでリストアップしてみました。

募集がはじまってから1週間、その順番をどうするかあれやこれや
頭を悩ませていると、

「出した後も何回でも修正できるらしいよ」と友人。

え?!そうなの?
さすが、オンラインアプリケーション!
さすが、IT大国!

修正ペン片手に手書きで何度も書き直した日本の保育園の
応募書類とは全然違うわ。

しかも、

「募集要項アップデートされてるね」との追加情報。

サイトを再び覗くと、さりげなく最新の募集要項が追記されてる・・・・

こんな大事な情報、
たまたま彼女と話さなかったら見逃すところだった。

ふー危ない、危ない。


常に情報は自分から取りにいく、
一度公表されたものも普通に変更される、
というアメリカ人にとっての当たり前にまだまだ慣れません。

スローガンでは、

"Free, Full-day, High-Quality Pre-K"

を謳い文句にしていただけあって、昨年まで半日だった
クラスは全てFull Dayコースに変更されており、
席数も増えてる学校が多い。

おっ!!
うちの近所には新設で200席近くある学校も出来るみたい。

こんな突貫工事みたいなかたちで、何がなんでも
席数と先生を用意しようとする姿勢がすごい。

実際にふたを開けてみれば、いろんな面が追いつかないだろういう
混乱は容易に予想出来るものの、それでもこのコミットメントには
驚きます。
市長の会見

さて、先週募集期間が終わり今年は69,000近くの応募があったそうです。

果たしてうちの娘は希望校のどこかしらに
潜り込めるのでしょうか・・・??